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キリスト教のお通夜とは?意味や仏式との違いを解説

2020.07.31

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日本では圧倒的に仏式で葬儀を執り行うことが多く、キリスト教式の葬儀は少数派です。参列するときは、なじみのある仏式の葬儀と同じように考えていると戸惑うこともあるでしょう。

 

キリスト教式の葬儀では、本来お通夜に相当するものがありません。しかし、日本においては仏式のお通夜のように、故人と親しかった人が集まる場が設けられています。同じキリスト教でもさまざまな宗派があり、お通夜を含めて行われる儀式にも違いがあります。そこで、

 

この記事では、キリスト教のお通夜に出席する際の注意点にも触れながら、仏式のお通夜との違いやプロテスタントとカトリックの違いについて詳しく解説していきます。

 


プロテスタントの場合の通夜

キリスト教には、そもそも通夜に該当する儀式がありません。

 

しかし、日本では仏式の葬儀で通夜が行われる風習が根づいているため、プロテスタントの場合も日本の慣例に合わせて「前夜式」という形で通夜が行われています。

 

また、プロテスタントは世界中に広まるうちに多くの宗派に別れたことから、宗派によって多少の違いがあります。参列前に大まかな流れを確認しましょう。

 

・讃美歌唱和

オルガンが演奏され、心を落ち着けながら前夜祭が始まるのを待ちます。その後、前夜祭が始まると、まず参列者全員で賛美歌の唱和を行います。

 

・聖書朗読と祈り

プロテスタントの前夜祭では、牧師の主導により参列者全員で聖書の朗読を行うとともに、神に祈りを捧げます。

 

・説教

聖書の教えを中心に、牧師による死についての説教が行われます。また、故人についての人柄やエピソードなどが語られることもあり、その後全員で祈りを捧げます。

 

・献花

仏式の葬儀のように焼香がない代わりに、キリスト教では献花があります。プロテスタントではまず牧師が献花し、その後に喪主、遺族や親族、一般参列者の順に献花します。

 

・喪主挨拶

牧師や参列者などに対し、喪主が挨拶をするのは仏式の葬儀と同じです。式によっては行われない場合もあります。

 

・讃美歌唱和

再び賛美歌の唱和やオルガンの演奏があり、前夜式を締めくくります。なお、賛美歌唱和は最初と最後だけではなく、聖書朗読や説教の後など途中にも行われることがあります。

 


カトリックの場合の通夜

カトリックも同様に仏教の通夜に該当する儀式がありません。

しかし、古くから続く日本の通夜の慣習に合わせ、葬儀ミサの前日に「御通夜」が執り行われています。

通夜に対する考え方はプロテスタントとそれほど違いがなく、遺族などを慰めるために祈りをささげる場として設けられます。

 

通夜の儀の流れ

儀式に厳格なカトリックですが、通夜はもともとキリスト教に存在しないため、カトリックにおいても明確な決まりはありません。

通夜は教会か自宅で行われ、カトリックでは祭壇や説教台を用意して十字架や燭台、聖水などの聖具を使用します。

 

・聖歌唱和

参列者全員で聖歌を唱和します。

 

・聖書朗読

神父の主導により聖書を朗読します。カトリックでは新約聖書だけではなく、旧約聖書や詩編の一部が引用されることもあります。

 

・説教と祈り

神父による説教や故人に思いをはせる言葉などがあり、その後、参列者全員で祈りを捧げます。

 

・献花

献花をします。順番は神父の後に喪主、続けて遺族・親族、一般参列者の順です。最初に喪主、最後に神父、オルガニストの順番で献花を行う場合もあります。

 

・喪主の挨拶

プロテスタントや仏式の葬儀などと同じように、最後は参列者に対する喪主の挨拶で締めくくります。ただし、家族葬など身内のみの葬儀であれば行わない場合があります。

 


キリスト教の通夜に参列する際の注意点

通夜ぶるまいについて

仏式の通夜後には、故人を偲ぶ場として「通夜ぶるまい」が行われます。しかし、キリスト教ではそもそも通夜自体が存在していないため、諸外国をみても通夜ぶるまいに相当するものがありません。

ただ、仏式の通夜・葬儀が大多数の日本においては、通夜ぶるまいも慣習となっているため、キリスト教でもそれに習い、通夜ぶるまいが行われています。そこに宗教的な意味はありませんが、「お清め」や「会食」などの名称で参列者への感謝のしるしとして用意されます。

通夜ぶるまいではサンドイッチや寿司、オードブルなどの料理のほか、遺族の意向でお酒がふるまわれることもあります。

 

通夜ぶるまいでのマナー

キリスト教式の通夜であっても、基本的に故人を偲ぶ場であることは仏式と同じです。喪主や遺族が参列者への感謝を示し、全員で故人の思い出などを語り合う時間であり、宴会ではありません。

そのため、しめやかな雰囲気を壊すような大声で騒ぐことはNGです。また、あくまでも故人を偲ぶ場であることを心にとめ、関係のない話を長々することもやめましょう。また、故人の死因などプライバシーに立ち入るような話題も避けたほうが無難です。遺族への気遣いを忘れずに、マナーを守って通夜ぶるまいに参加しましょう。

 

聖歌や賛美歌の唱和

仏式とキリスト教式で大きく異なることに、聖歌や賛美歌の唱和があります。

キリスト教式の通夜や葬儀に参加したことがない人にとっては、全くなじみがないかもしれません。実際に日本国内でキリスト教式の通夜や葬儀が行われるのは少ないこともあり、聖歌や賛美歌の歌詞を知らない人も多くいます。

強制ではないため、わからなければ無理に唱和する必要はありません。ただ、聖歌や賛美歌はもともと神を讃えるために歌われ、通夜や葬儀の場では遺族の心を慰め、故人が天国で安らかにすごすことなどを願う意味もあります。

聖歌や賛美歌の歌詞や楽譜はあらかじめ受付などで参列者に手渡されるため、わかる範囲だけでも気持ちを込めて歌うことが大切です。

 

献花にはマナーがある

仏式の通夜や葬儀で焼香するように、キリスト教式の通夜や葬儀では献花を行います。

焼香に作法があるように、献花にもマナーがあるため参列する際は事前に確認しておきましょう。

自分の献花の順番が来たら祭壇の前に進み、遺族に一礼します。係員から手渡される花を、「花が右、茎が左」になるようにして両手で受け取りましょう。右の手のひらは上向き、左の手のひらは下向きにします。片手で受け取ることはマナー違反です。

花を持ったまま祭壇まで進み、祭壇に一礼します。「花が自分側、茎が祭壇側」になるように花を持ち替え、両手のひらを上向きにして静かに供えます。手を合わせるか一礼したあと、遺族に再度一礼して席に戻りましょう。

周囲の人と同じように行動すれば戸惑うことはありません。両手を使うので、バッグなどの荷物を持たずに臨むことが大切です。

 


仏式との違いを知って、当日慌てないように

仏式の通夜や葬儀が多い日本では、キリスト教式で執り行われる通夜の流れやマナーを把握している人は少ないかもしれません。いざ、参列することになったとき、なにもわからなければ、その場でどうふるまえばいいのか戸惑うこともあるでしょう。

 

前夜祭や御通夜にはキリスト教ならではの聖歌や賛美歌の唱和、献花など仏式にはないものもあります。当日慌てないように、仏式との違いを知っておくようにしましょう。

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