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キリスト教における埋葬方法とは│死生観から解説
2022.09.09
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「キリスト教の埋葬方法を知りたい」
「キリスト教では宗派による埋葬が異なることはあるのかな?」
このようなお悩みを持っている方も多いでしょう。
キリスト教では各宗派において埋葬の違いがありますし、そもそも仏教と根本的に埋葬の考えが異なります。
そこで当記事ではキリスト教の埋葬方法を死生観から詳しく解説していきます。
キリスト教の埋葬はどのように行われるのか
キリスト教の埋葬を理解するためには、埋葬がどのように行われるのかを理解する必要があります。
日本と諸外国では違いがあるため確認しておきましょう。
特に日本とアメリカ・カナダ、そしてイギリスといった国家の違いにより同じキリスト教であっても埋葬方法が異なります。
諸外国では土葬が基本
アメリカ・カナダといった諸外国のキリスト教国家(キリスト教徒が多い国)では、土葬が基本になっています。
これには後ほど詳しく解説するキリスト教の死生観が深く関わり、最後の審判のときに復活する肉体がないと困ってしまうだろうという考えに基づいています。
もちろん最後の審判については、カトリックとプロテスタントなどの宗派によって教義が異なるものの「復活」というキーワードが死後に関わってくる点を確認しておきましょう。
日本では法律上キリスト教であっても火葬が原則
とはいえ、日本の法律上では土葬について厳格な禁止が設けられており、火葬が原則になっています。
キリスト教の教義があるといっても、日本の国土が狭く、日本人一人ひとりのお墓を用意するほどの土地が用意できないことから、1875年を境に都市部を中心にして火葬が義務付けられるようになりました。
意外にもイギリスでは火葬が主流
また日本と同様の理由でイギリスでも火葬が主流になっています。
世界史的に見てもイギリスは、イギリス国教会という国王・女王どちらかをトップとするプロテスタントの宗派のため、カトリックとは異なった考えを持っています。
またペストなどの疫病が国土の小ささから蔓延しやすく、死者を火葬にするといった習慣が根付いているのでしょう。
キリスト教の埋葬の意味を知る死生観が重要
日本やイギリスといった国を除いて、多くのキリスト教徒が多い国では土葬が基本となっている点をお伝えしましたが、埋葬が基本的に土葬になっている点を理解するためには死生観を理解する必要があります。
キリスト教の死生観を理解するためには、次の順番で確認していくといいでしょう。
1.仏教との死生観の違い
2.最後の審判とは
3.天国に行くには
それぞれ解説していきます。
キリスト教の死生観①仏教との死生観の違い
キリスト教が死後の体に魂が戻ると考えるのに対して、仏教では魂自体が生類(生き物)に何度も生まれ変わって循環すると考えられます。
仏教では人生自体が苦しみであり、六道(りくどう)を何度も繰り返すことが宗教上の教えです。
ただキリスト教では、このように魂が何度も現世を行き来するといった考え方はなく、死後の最後の審判で罪を赦され天国に行けるかどうかが決まるといった考え方が根本にあります。
また日本では仏教だけでなく神道の教えもあるため、生まれ変わりといった概念と肉体が自然に還るといった考え方も併存しています。
キリスト教の死生観②最後の審判とは
先ほどお伝えしたキリスト教における最後の審判は、文字通り神が人(場合によっては世界)を裁くための日です。
最後の審判という言葉は、ゾロアスター教や旧約聖書を教義にするユダヤ教にも共通する考え方で、世界各国に教義は違えども広く分布しているという考え方です。
宗派による違いはあるものの、キリスト教においては最後の審判の日にその人が今までどのように生きてきたのかが裁判され、赦されて天国に行くのか地獄に落ちるのかを決められると考えられています。
ですから最後の審判の日に、肉体がなければ魂が戻る器がなくなるとして土葬が基本になっていると考えられます。
キリスト教の死生観③天国に行くには
最後の審判の日に神から赦され天国へ行く方はどのような方かというと、宗派による違いがあり一口にいえません。
ただ、どの宗派でも信仰が深いかどうかによって決まるものであるといった点には変わりがないようです。
このようにキリスト教の死生観を知ると最後の審判を待つために、土葬をするといった考え方が理解できるでしょう。
キリスト教の埋葬は宗派によって異なる
キリスト教の埋葬が基本的に土葬になる点を詳しくお伝えしてきましたが、埋葬方法は宗派によって異なります。
具体的には次の宗派について確認していきましょう。
・カトリック
・プロテスタント
・正教会(埋葬式)
・モルモン教
カトリック
キリスト教の源流であるバチカンを総本山とするカトリックの死者の埋葬方法は、伝統的な儀礼を重んじる傾向にあります。
聖歌が歌われたり、カトリック教徒以外の葬儀が行われなかったりといった特徴もあります。
火葬式や土葬式においても儀式が行われるのが基本で、荘厳な雰囲気の中で葬儀が執り行われます。
また日本のキリスト教式で行われる通夜のミサは、基本的に諸外国のカトリックでは行われません。
プロテスタント
プロテスタントの埋葬方法は、カトリックと比べると厳格な儀式は整えられていません。
そのため遺族の意向を反映した葬儀が行われることがほとんどです。
また先ほど紹介したカトリックでは、日本において通夜のミサが行われるとお伝えしましたが、プロテスタントでの通夜は前夜祭と呼ばれます。
日本の場合、火葬を行うときに小机と十字架に生花を飾って賛美歌を合唱します。
とはいえ、厳格な儀式が決まっているわけではないので、簡便化も可能です。
正教会(埋葬式)
ギリシア正教会やロシア正教会といった正教会系の教義では、プロテスタントと同様に厳格な決まりはありません。
埋葬方法は土葬が基本であり、精進落としもあります。
ただ地域や国によって葬儀内容や埋葬方法は異なってきます。
特に特徴的なのは、正教会では故人を偲ぶ通夜の考え方が推奨されている点です。
一般的に通夜のパニヒダと呼ばれ、儀式的な内容が通夜中に行われます。
モルモン教
比較的若いキリスト宗派であるモルモン教の葬儀は、プロテスタントや正教会よりも葬儀や埋葬方法が厳格に決められていないと考えていいでしょう。
埋葬方法は土葬ではありますが、葬儀内容は元来のキリスト教の葬儀と比べると質素になっています。
ただ、儀式が厳格に決められていない分、葬儀会社と相談してカトリックと同様の荘厳なものにできますし、逆に簡素ながら温かみのある葬儀にもできます。
このようなメリットがあるといえるのがモルモン教といえるでしょう。
キリスト教の埋葬に至るまでの流れ
ここまでキリスト教宗派別の埋葬方法と葬儀の特徴をお伝えしてきましたが、続いては埋葬に至るまでの流れを解説していきます。
カトリックの葬儀の流れ
カトリックの葬儀の流れは次の通りです。
1.病者の塗油・回心の祈り・言葉の典礼
2.納棺
3.通夜のミサ
4.葬儀ミサ
5.告別式
6.火葬式・埋葬
7.追悼ミサ
カトリックの基本は葬儀の流れが厳格に決まっている点です。
葬儀後には追悼ミサがあり、そこで納骨までが行われるのが基本的な流れでしょう。
より詳しい葬儀の流れは以下の記事で詳細に解説しています。
プロテスタントの葬儀の流れ
プロテスタントの葬儀の流れは次の通りです。
1.牧師による祈り
2.納棺
3.前夜式
4.葬儀・告別式
5.火葬式・埋葬
6.記念集会
カトリックと比べると自由度があるのがプロテスタントの葬儀です。
葬儀と告別式が一体となっている点にも注目しましょう。
カトリックと同様に葬儀の流れを詳しく解説した記事があるので、より詳細な内容を知りたい方は以下を参照して下さい。
正教会の埋葬式の流れ
正教会の葬儀は土地や国家によって異なるため、ギリシア正教を事例として扱います。
1.臨終に際して街中の鐘が鳴らされる
2.納棺
3.通夜
4.埋葬式
5.土葬
6.精進落し
正教会の葬儀は埋葬式と呼ばれ、生前逝去した方がどのような役職についていたかによって、祈祷文が異なってくるのが特徴です。
日本の仏教式のように通夜や精進落しが推奨されている点は大きな違いとなります。
より詳細に正教会の埋葬式について知りたい方は以下の記事を参考にしてみて下さい。
モルモン教の葬儀の流れ
モルモン教の葬儀の流れは次の通りです。
1.死装束に着替えさせる
2.納棺式
3.通夜
4.葬儀
5.告別式
6.火葬式
モルモン教は式次第が厳格に決まっていないため、葬儀自体はその他の宗派にあわせることがほとんどです。
ただ、死装束には規定が存在し、寺院の儀礼に参加した場合には緑色のエプロンが白装束と決まっています。
より詳しくは次の記事で紹介していますので、気になる方は読んで見るといいでしょう。
キリスト教徒が埋葬されるお墓について
最後はキリスト教徒が埋葬されるお墓についてです。
キリスト教においてお墓は記念碑として扱われる場合が多く、1人1つのお墓を作るのが原則です。
日本のように先祖代々のお墓を受け継ぐといった考え方は基本的に考えられていません。
ただ国土の問題上、お墓のリサイクルをしなければならないキリスト教国もある点には注意しましょう。
キリスト教のお墓がどのように成り立っているのかより詳しくは次の記事で解説しています。
キリスト教における埋葬の考え方は仏式とかなり異なる
今回の記事ではキリスト教における埋葬の考え方について、死生観から理解できるようにお伝えしてきました。
キリスト教の死生観である復活をキーワードにすると、土葬が基本になるのは理解できるでしょう。
とはいえ、宗派によって葬儀から埋葬の方法が異なるのも事実です。
もし、埋葬に関する心配事がありましたら、一度お気軽にご相談下さい。