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ゼロ葬とは丨キリスト教的視点から考える
2022.10.14
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「ゼロ葬とはどんな葬儀なのだろう?」
「身寄りも少ないしゼロ葬をしてみてもいいかもしれない…ただ、本当にいいのかな?」
こんなお悩みを抱えている方も多いでしょう。
ゼロ葬は少子高齢化や核家族化が進んだ昨今では、もしかすると増えてくるかもしれない葬儀形態です。
ただ、本当にゼロ葬を行っても宗教上では大丈夫なのでしょうか?
当記事では、ゼロ葬とはからスタートし、キリスト教の観点からゼロ葬を行うべきかどうかについて解説していきます。
この記事を読むと、ゼロ葬のメリット・デメリットもわかるので、ぜひ最後まで読んでみて下さい。
ゼロ葬とは何か?
ゼロ葬とは、葬儀やお墓での供養を行わない直葬を指した言葉です。
通常、直葬となると身寄りのないかつお金を用意できなかった方に行われる葬儀ではありますが、『0葬-あっさり死ぬ』という宗教学者の島田氏が出版した本に書かれている言葉になります。
まだまだ日本では普及していない言葉ではありますが、今後の社会情勢上もしかすると増えてくる葬儀形態かもしれません。
とはいえ、ゼロ葬が想定しているのは、葬儀を行う身寄りのいる方が亡くなったときに行う葬儀を想定しているので、本当に直葬形式でいいのかどうかという点には疑問が残ります。
そこで、キリスト教的に葬儀とは何かをもう一度考え直します。
ゼロ葬が話題になった背景
先ほどゼロ葬が今後の社会情勢上もしかすると普及するかもしれないといった理由には、少子高齢化と核家族化が関わってきます。
少子高齢化とは、若者が減って、お年寄りが増えること、また核家族化は世帯あたりの人数が減ることを指しています。
これらの理由によって、身寄りがないもしくは身寄りが少ない方が増え、葬儀を行えない家庭や葬儀を行うことに意義を見いだせない家庭が増えてくるかもしれません。
ただ、本当に葬儀は行わなくてもいいものなのかといった点には疑問が残る方もたくさんいらっしゃるはずです。
ゼロ葬はいいことなのか悪いことなのか
ゼロ葬に対していいことなのか・悪いことなのかという疑問に対しては、個々人の宗教観に対して批判を行ってしまうため断言はできません。
しかし、一点だけ注意しなければならないのは、葬儀は故人と今を生きるご家族のために行うものという点です。
キリスト教の死生観では、死は最後の審判のときに復活するための課程であり、喜ぶべきものであると考えます。
ですから、葬儀全体をなくすのではなく、供養を簡易化するゼロ葬であれば、今までの葬儀の在り方から大きく方向性がずれることはありません。
キリスト教的にはお墓はメモリアルなもの
供養を簡易化するというと、仏教徒の方からすると違和感があるかもしれません。
この言葉には理由があって、キリスト教ではお墓は記念碑的(メモリアル)な存在であり、先祖の霊魂が宿っている場所ではありません。
ですから、語弊を承知の上でお伝えすると、お墓で弔う習慣はあるものの、先祖代々受け継いで弔うものではないため、仏教ほど重要視されていない場合があります。
このように仏教とキリスト教におけるお墓への考えの違いがあり、キリスト教のほうがゼロ葬といった観点では、供養を簡易化する点において親和性(宗教上受け入れやすい)といえるでしょう。
より深くキリスト教のお墓の考え方について確認したい方は次の記事を読んでみて下さい。
ゼロ葬のメリット
では本当の意味でのゼロ葬ではなく、供養を簡単にするといった意味でのゼロ葬のメリットは次のとおりです。
・お墓参りの負担が少なくなる
・お墓の維持費がなくなる
・遺骨をいつでも手元に安置できる
ゼロ葬では、お墓を利用しないので、お墓参りや維持費などコストとなる部分について削減できるのが大きなメリットです。
特に身寄りが少ない方が逝去した場合、お墓参りを残された家族が行うとなると住んでいるところによっては相当な負担になります。
ですから、遺骨を手元に安置しておけば、このような心配もなくなり心も軽くなるでしょう。
ゼロ葬のデメリット
続いてゼロ葬のデメリットは次のとおりです。
・まだまだ日本人の方々に受け入れられない
・遺骨の処理に火葬場の許可をもらわなければならない
特に大きなデメリットとしては、まだまだ多くの日本人に受け入れられないことです。
多くの日本人が仏教徒であり、先祖代々お墓を守ってきた方も多いので、遺族の方のなかには納得できないと考える人もいるでしょう。
ゼロ葬を利用するための準備
ゼロ葬のメリットとデメリットを知った上で、行うことを決めたら準備をしていきましょう。
具体的な準備としては、次のとおりです。
・葬儀は必ず必要
・ゼロ葬を納得させるだけの理由を用意する
それぞれ解説していきます。
葬儀は必ず必要
繰り返しになりますが、キリスト教的な観点からいうと、葬儀は必ず必要です。
葬儀は仏教では死を悼んだり、キリスト教では故人を送り出したりする意味で、故人と遺族が死を再認識する儀式です。
仮に何もないまま直葬してしまえば、「あのときこうしておけばよかった…」と後悔する可能性もあります。
ですから、葬儀はケジメとしてきちんと執り行うようにしましょう。
【家族の数だけ葬儀の方法はある点を押さえる】
先ほど葬儀は必ず行うべきという点をお伝えしましたが、家族の数だけ葬儀の方法がある点も押さえておきましょう。
ゼロ葬とはいえ、葬儀を特別なものにすることは可能です。
ただ、一般的な葬儀会社だとキリスト教を専門にする当社と比べて、オーダーメードの葬儀に対応していない可能性もあります。
仮にお墓にこだわらない代わりに葬儀にはこだわりたい場合には、当社までご連絡いただいたほうがいいでしょう。
ゼロ葬を納得させるだけの理由用意する
またゼロ葬について周りの親族の方が納得できるだけの理由も用意しておくべきでしょう。
特に死期が近い方と親しかった人ほど、ゼロ葬には反対されるかもしれません。
ですから、なぜゼロ葬とするのか、遺言書などを通じてきちんと伝えられるようにしておく必要があります。
【お一人様の場合には特に注意が必要】
現在身寄りがほとんどなく、お一人様の方はゼロ葬に対して必ず全員が納得できる理由を用意しておきましょう。
というのも、お一人様の場合、遺志をきちんと受け継いでゼロ葬を行ってくれる方が近くにいない可能性があるからです。
仮に遠方の親戚があなたの葬儀を行う場合、ゼロ葬を直葬と勘違いしてしまったらどうでしょうか。
あなた自身は喪主に葬儀をして欲しいのに、喪主が勘違いしてしまったら宗教観と違った葬儀が行われる可能性があります。
ですから、死期を悟った場合にはゼロ葬を行って欲しい旨と、葬儀は必ず行うことを親族間で共有しておきましょう。
【場合によっては死後事務委任契約を使う】
お一人様の場合、親族間での共有が難しい場合もあります。
このようなときには、死後事務委任契約を法曹と結んでおくといいでしょう。
死後事務委任契約とは、あなたの死後に死亡届や葬儀の手配などをお願いできるサービスであり、事前に契約しておくことで心配を抜きにして余生を過ごせるので終活にも役立ちます。
また、葬儀費用が心配な場合には、当社であれば生前契約も承っているので、お気軽にご相談ください。
ゼロ葬の活用方法
では実際にゼロ葬で葬儀を行ったあと、供養はどのような形で行ってもらうのがいいのかというと、冒頭でもお伝えしたように手元供養と組み合わせるのがいいでしょう。
最後の項目では、葬儀後、手元供養をどのように行っていくかをお伝えします。
手元供養と組み合わせる
手元供養とは、自宅などの身近なところに遺骨を安置して供養する方法です。
ゼロ葬のメリットの項目でお伝えしたように、手元供養であれば自宅に安置した遺骨を供養するだけなので、お墓参りの時間を削減したり、お墓の維持費をなくしたりできることもでいます。
ただし、次の点には注意しておきましょう。
・火葬場から遺骨をすべて引き取るのはマナー
・手元供養の場合、遺骨の処理をどうするかも決めておく
それぞれ解説します。
【火葬場から遺骨を全て引き取るのはマナー】
ゼロ葬の場合、火葬場で収骨する際に手元供養するだけの遺骨を保管することになりますが、基本的に遺骨を全て引き取るのがマナーとなっています。
ただ、昨今では遺骨の一部だけを引き取ったり、全て処分してもらったりするサービスが火葬場でも行われています。
ですから、状況に応じて火葬場との事前連絡を取り合って、どのような収骨とするのかを必ず取り決めておきましょう。
【手元供養の場合、遺骨の処理をどうするかも決めておく】
手元供養(自宅供養)を行う場合には、遺骨の処理をどうするのかも事前に決めておく必要があります。
仮に手元供養をしていた方も亡くなり、遺品整理が行われた場合には、管理されていた遺骨がどのように処分されるかがわかりません。
ですから、逝去後、他のご家族に迷惑が掛からないように遺骨が管理できなくなったときにはどのように処分すればいいかのルールを定めておいて下さい。
ゼロ葬の背景には弔う気持ちが大切
今回の記事ではゼロ葬について解説してきましたが、ゼロ葬の考え方のまま、直葬と同様な見送り方をしてしまうと、「あのとき、きちんと葬儀をしておけば…」と後悔の念に駆られる可能性もあります。
特にキリスト教徒の場合、葬儀は故人の旅立ちを喜ぶための儀式でもあるため、何もしないまま送り出すとなれば、故人の宗教観を無視してしまう恐れもあるでしょう。
ですから、ご家庭の事情でゼロ葬を行うべきと判断したとしても、自宅供養をする代わりに葬儀を特別なものにすることをおすすめします。
仮にオーダーメードの葬儀が近くの葬儀会社でできない場合には、当社にご相談下さい。