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葬儀のマナー

キリスト教式の葬儀での挨拶は?参列者・喪主ともに解説!

2020.06.19

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キリスト教式の葬儀とは?

日本では仏式で行われる葬儀が圧倒的に多く、キリスト教式の葬儀はなじみが薄い人も多いのではないでしょうか。参列したことがない人にとっては、葬儀に関連するマナーもわからないかもしれません。

 

また、例えキリスト教徒であっても、はじめて喪主を務める人もいるでしょう。喪主として葬儀を滞りなく終えるためには、あらかじめ把握しておくべきこともあります。

 

そこでこの記事では、キリスト教式の葬儀のなかでも特に挨拶に的をしぼり、参列者・喪主ともに知っておきたいポイントを詳しく説明します。

 


参列者から遺族に対する挨拶

日本で行われる葬儀でよく耳にする「ご愁傷様です」は、悲しく思うことを表す言葉です。

 

つまり、親しい人を亡くして悲しんでいる遺族に対してかけるお悔やみの挨拶だといえるでしょう。また、故人の死を悼んで「お悔やみ申し上げます」という挨拶が使われることもあります。

 

ただ、キリスト教の教えでは、「死」を悲しいものとして捉えていないのが仏教や神道とは異なるところです。したがって遺族に対する挨拶も仏式と変わってきます。

 

お悔やみの言葉はNG

キリスト教の教えでは、死は悲しむべきものではなく、死に際して神からそれまでの罪を赦されるとされています。つまり、生前の罪を赦されて神のもとへと立ち、そこで永遠の魂を得られると考えられているため、死は決して不幸なことではないのです。そのような理由から、そもそもお悔やみの言葉が存在しません。キリスト教式の葬儀に参列するときは、仏式の葬儀で当たり前にかけられているお悔やみの言葉はできれば避けましょう。

もちろん、キリスト教徒であっても、身近な人を亡くして悲しみを全く感じていないはずはありません。そのため、葬儀での挨拶には遺族の気持ちに配慮した言葉が適しています。キリスト教の葬儀では「安らかなお眠りをお祈り申し上げます」や「〇〇様の魂の平安をお祈りいたします」のように、故人の魂が安らかであることを祈る言葉が一般的です。また、「安らかな旅立ちでありますように」など、遺族の気持ちに添うような言葉を選ぶようにしましょう。

 


喪主の挨拶

日本でなじみのある仏式の葬儀でも、遺族を代表する喪主の挨拶で最後を締めくくることが多いでしょう。キリスト教式の葬儀においても、同じように喪主の挨拶は重要です。ただ、まだ喪主を務めたことがない人にとっては、何を話せばよいのかわからないかもしれません。

 

そこで、まずは喪主が行う挨拶の構成を説明します。

 

最初は喪主自身の自己紹介もかね、故人と喪主との関係がわかる文面で参列者への挨拶を述べます。その後、故人の人柄を交えて挨拶を進め、参列者の方々に生前お世話になったことを感謝する言葉なども入れます。最後には故人が神のもとに無事旅立ったことを報告し、参列者にも神の恵みがあるように祈りながら挨拶をしめましょう。

 

具体的な挨拶文例

喪主の挨拶ではキリスト教ならではの言葉や言い回しもあり、その点を考慮して挨拶文を考える必要があります。ここでは故人が父親のケースで喪主の挨拶文例を挙げます。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

本日はお忙しいところ、父・○○のためにお集まりいただき、ありがとうございました。

亡き父は定年退職まで勤め上げたのち、晩年は趣味の○○を楽しみながら過ごしてまいりました。

生前、お集りの皆様をはじめ、多くの方々との温かいかかわりを持てましたこと、心のこもったお祈りをいただいたこと、父〇〇に代わって感謝申し上げます。

思えば一年前に発病し、療養生活を送りながらも家族を気にかけ、我が家に帰りたいと申しておりました。

しかし、〇月〇日80年の生涯を終え、皆様に見守られて主の御許に召され、今は心の平安を得たものと存じます。

皆様にも主の平安と慰めがあらんことをお祈り申し上げます。

本日はまことにありがとうございました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

挨拶冒頭に入れる自己紹介や参列者に対するお礼に関しては、ほかの宗教の挨拶でもほぼ共通しています。故人にまつわるエピソードや参列者に生前お世話になったことについては、長くなりすぎない程度にもう少し具体的に盛り込んでもよいでしょう。

 


葬儀後の挨拶状は?

キリスト教式では本来、香典が存在しません。ただ、仏式の葬儀では香典を頂いたら、香典返しをするのが通例になっているため、日本ではキリスト教式の葬儀でも同じように香典をいただいたことに対して返礼品をお渡しすることが多くなっています。

ちなみにキリスト教式では、香典のことを「御花料(おはなりょう)」と呼んでいます。その際、返礼品に挨拶状(御礼状)を添える事が多くあります。カトリックとプロテスタントでは記載内容に多少違いがあります。以下にそれぞれの例を挙げます。

 

カトリックの場合

文の始まりに「十字架」 + 「主の平和」が記載され,名前の右上に洗礼名を記載します。

【例】

プロテスタントの場合

【例】「主の御名を賛美いたします」と文頭に入れることが多いです。
通夜、告別式の名称は各宗派によって異なるため事前にご確認ください。

句読点を使用しないのが一般的

葬儀後に送る挨拶状には句読点を用いないのが一般的です。

その点は特にキリスト教式の葬儀に特別なことではなく、仏式や神式などほかの宗教の葬儀でも共通しています。句読点を入れないのは、昔はそもそも句読点が存在しなかったからというのが理由の一つです。また、仏式であれキリスト教式であれ、特に句読点をつけなくても、読む相手が内容を理解できるからだともいわれています。

厳格にルールとして決められているわけではありませんが、通例として句読点をつけずに挨拶状を作成したほうがよいでしょう。

 


弔電を送る際は

葬儀の当日出席できない場合、葬儀に参列する代わりに弔意を示す方法の一つが弔電です。

 

仏式の葬儀では参列できない人がお悔やみの言葉を文面にして送り、故人の死を悼む心を表します。キリスト教式の葬儀でも同様です。

 

弔電を送る際には、電報局へお問い合わせください。故人との関係や宗派を考慮して、適切な言葉選びをしてくださいます。

 


挨拶のマナーを正しく知ろう

仏式の葬儀が圧倒的に多い日本では、ほかの宗教の葬儀になじみのない人も多くいます。キリスト教式の葬儀では、仏式の葬儀にはない独特の言い回しや言葉があり、宗派によって違いもあります。そのため、宗教や宗派に沿った挨拶ができるよう注意することが必要です。

 

また、キリスト教ならではの死生観から、仏式の葬儀であるようなお悔やみの言葉は基本的にNGなど、知っておくべきマナーもあります。

 

キリスト教式の葬儀に参列するときや喪主となって葬儀を行う際は、正しい挨拶のマナーを確認しておきましょう。

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