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プロテスタントの葬儀の流れやマナー。カトリックとの違いは?

2021.03.15

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キリスト教にはプロテスタントとカトリックという代表的な2つの宗派があります。教義の違いから葬儀のスタイルも異なるため、それぞれの特徴を理解しておくことが大切です。

 

そもそも日本での葬儀は仏式が多く、プロテスタント式葬儀の流れやマナーが広く周知されているとはいえない実情があります。故人がキリスト教を信仰していても遺族は異なる宗教を信仰している場合や、キリスト教の葬儀にはじめて参列する場合は、戸惑うケースも多いでしょう。

 

この記事では、カトリックとの違いに触れながらプロテスタント式葬儀の流れやマナーを解説します。

 


プロテスタント式とカトリック式葬儀の違い

プロテスタント式葬儀は、比較的自由度が高いといわれています。

 

プロテスタントでは、主に遺族を慰める目的で葬儀を行うからです。遺族の意向を反映して、ある程度柔軟に儀式の内容を決められるほか、異なる宗教を信仰している人の葬儀でも受け入れてもらえる場合もあります。たとえば故人や遺族が仏教を信仰していても、希望すればプロテスタント式葬儀を実施することも可能です。

 

葬儀の前日には通夜にあたる前夜式や棺前祈祷式があり、葬儀と告別式は同時に行われます。牧師が式を執り行い、参列者は故人ではなく神に祈りを捧げ、讃美歌を歌います。

 

 

一方、カトリック式葬儀では儀式が強く重んじられます。基本的に葬儀の受け入れは洗礼を受けた信徒のみとされ、プロテスタント式葬儀よりも厳格なしきたりによって行われると考えて良いでしょう。

 

カトリック式葬儀では司祭が司式者を務めます。葬儀と告別式は区別され、その前には通夜があるのが一般的です。また、参列者が儀式で歌うのは聖歌です。このように、プロテスタント式葬儀とカトリック式葬儀では、看取り方や一連の流れ、用語などが異なります。参列の際には注意しましょう。

 


プロテスタントの葬儀の流れ

臨終から前夜式まで

プロテスタントでは、臨終の際に家族が牧師を招き、牧師によって祈りを捧げられます。時には賛美が捧げられたり、聖書が朗読されたりすることもあります。

葬儀の前には、仏式の通夜にあたる「前夜式」が行われます。牧師による説教や讃美歌の斉唱などの後に献花を行うのが一般的です。

 

葬儀

カトリックでは葬儀と告別式を区別しますが、プロテスタントは葬儀と告別式を同時に行うのが特徴です。

教派により細かな違いはありますが、聖書の朗読、祈祷、讃美歌の斉唱、牧師による故人の紹介、説教、弔辞・弔電披露、遺族代表挨拶、献花などが行われ、すべてが済んだら火葬場に向けて出棺します。基本的な進行は牧師が担うものと考えて良いでしょう。

葬儀と聞くと、悲しく静まり返った雰囲気をイメージする人も多いかもしれません。しかし、プロテスタント式葬儀に限らずキリスト教式葬儀は、比較的明るい雰囲気のなかで行われます。そもそもの目的が遺族を慰めることであり、天に召されたことを悲しむものではありません。いわゆる「お悔やみ」の気持ちよりも、故人が神のもとで安らかに過ごせるよう願うことが大切だと考えられているからです。

 

火葬前式・火葬

火葬場に到着するとお祈りが捧げられます。その後に牧師が聖書を朗読し、賛美をして炉に入る遺体を見送ります。火葬後に収骨を行いますが、仏式のように二人一組になって行う必要はありません。

火葬の後は参列してくれた人に対して、お礼の意味を込めた会食が行われることも多くあります。

 

葬儀後の記念集会

プロテスタントでは、故人が亡くなってから1ヶ月目を「昇天記念日」とし、牧師、親族、知人とで記念集会を行うことがあります。(1週間目や10日目を昇天記念日とするケースもあります。)

自宅や教会で祈りを捧げた後、茶話会を開いて思い出を語り合うケースが多いでしょう。その後も1年目、3年目、5年目、7年目の昇天記念日に追悼のための記念集会を行うこともあります。

キリスト教には、いわゆる「供養」という概念はありません。そのため、仏教でいう四十九日や一周忌、三回忌といった法要とは考え方が異なる点に注意しましょう。

 


プロテスタントの葬儀のマナー・注意点

プロテスタント式葬儀はカトリック式葬儀と比較して、柔軟な対応が可能だといわれています。

 

一方、葬儀が宗教的な儀式であることには変わりありません。最低限のルールは守る必要があるため、以下の点には注意して準備を進めましょう。

 

喪主側のマナー・注意点

プロテスタント式葬儀では、仏式にみられるような豪華な祭壇は設置しないケースが多く見られます。

キリスト教の葬儀は、故人ではなく神に祈りを捧げるものです。そのため、故人の遺品を並べることはほとんどありません。花や遺影を飾る場合は、あらかじめ牧師に確認を取り、なるべく目立たないよう工夫しましょう。

仏式ではお布施を用意しますが、キリスト教式では教会に「献金」を渡すのが一般的です。それとは別に、牧師やオルガン奏者に対してお礼を包むこともあります。

 

参列者側のマナー・注意点

プロテスタント式葬儀に参列する場合は、仏式とはマナーが異なる点に注意しましょう。

プロテスタントでは偶像崇拝を禁止しています。仏式では仏様とされる「像」を拝みますが、プロテスタントでは聖母マリアの像やキリスト像を拝むことも基本的に認めていません。

また、プロテスタント式葬儀では讃美歌を歌うシーンが数多くあります。讃美歌は日本人にもなじみ深いものが多く、歌詞さえあれば歌えるという人も多いでしょう。讃美歌を歌うことで自身が信仰している宗教を否定することにはなりません。可能な限り参加することを心がけましょう。

遺族に慰めの言葉をかけるときにも注意が必要です。仏式の葬儀では「お悔やみ申し上げます」という表現がよく使われます。しかし、死は悲しいことではあるものの、不幸ではないというのがプロテスタントの考え方です。遺族へは「安らかな眠りをお祈りいたします」などの言葉をかけましょう。

また、プロテスタント式葬儀では焼香ではなく献花が行われるのが一般的です。ユリやカーネーションなど、明るい色の花が用いられ、献花台へ収めるのが一般的です。手を合わせる際には指を組むようにします。

仏式でいう香典は、キリスト教では「御花料(御花代)」と呼ばれます。不祝儀袋の表書きを間違えないよう注意してください。服装は仏式と同様で問題ありません。参列者のなかには、キリスト教ならではの作法を知らない人もいます。わからないことは教え合いながら、温かい気持ちで故人を送りましょう。

 


柔軟なプロテスタント式葬儀でも作法やマナーの把握は重要

厳格なカトリック式葬儀に対して、プロテスタント式葬儀は遺族の意向を反映した柔軟な対応ができるのが特徴です。教会で洗礼を受けておらず、仏教を信仰している人や無宗教の場合であっても、葬儀を受け入れてくれることもあります。

 

一方、仏式の葬儀とは作法やしきたりが異なることも事実です。すべての準備を遺族だけで進めるのは難しい側面もあります。

 

まずはキリスト教式葬儀に詳しいプロの葬儀社に相談して、滞りなく葬儀を行いましょう。

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